本編の「ネコと文学と猫ブンガク」のバックナンバー


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本のまくら.久坂葉子

The Postman Always Rings Twice by James M. Cain - Free Best Novel
http://www.obooksbooks.com/2015/4416_6.html

「本のまくらクイズ」の回答。
掲載した作品(もう1つのBlogも含む)を作家別にまくら(小説や随筆の冒頭部分)を記述。 今回は「カ」行の作家で久坂葉子です。 
彩子とお日様
「 お日様、お日様は私の唯一のお友達です。そして恋人です。お日様、いえ、それも夕日なのです。朝日はあんまり眩しすぎます。目がくらむばかりぢゃなく、私の心まで、さし通すような強い光、私は朝日には近よれません。」
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一夜
 「 源藏蔵老人は一人二階の書斎にひきこもって階下のホールで妻や子供達が友人を招いて踊りさわいでゐるのを幾重かのドア越しにきいてゐた。老人といっても年はまだ六十には至ってゐない。然し彼は中風病みでありその上呼吸器の疾患もかなりひどかった。」

「 女は五通の手紙を書き、それ〲白い角封筒に丁寧におさめた。内容は悉く同じものであった。封をしてから、女は裏に自分の名前を書いた。そらから五つの表書をしばらく思案していたが、やがて、ペンの音をさせて性急に五種類の名前を書きはじめた。」
「 女はみもざの花をまきつけてゐた。その小さな花の粒は、もはやしほれて、ほこりのようなみにくさを示してゐた。女はそれでもその花を取りはずそうとはしなかった。」
金色の動物
「 誦経が終わった。男は煙草の火を消した。喪服の人が列をなしていた。焼香のかすかなかおりがたゞよった。往来である。男は霊柩車に乗った。運転台は、機械と機械の間の狭い溝である。男は腰かけた。傍に、よれよれになった雑誌があった。」

鏡 
「 彼女は、白い上っぱりを着てから自分の部屋を出て階段をこつこつと一段づつのぼり、突当たりの扉の前にたった。次に、上っぱりのポケットから鍵を出し、横文字で『ビューティーパーラー、シヅ』とかいてあるその扉の鍵穴にそれを押し入れた。」
黒い扮装 「 とも子はその日、黒のヲーヴァを着て濃いゑんじ色のマフラで殆ど顔の下半分を掩ってしまひ、うつむき加減にゆっくり歩いてゐた。まるで喪に服してゐるやうな様子であり、彼女自+身も棺の後を歩んでゐるやうな重苦しさを心の奥底から感じてゐるようであった。」 
骨董の中に
「『麗子像を思い出すわ』 私は火鉢に手をかざしながらほほえんだ。十になる丸顔の女の子。 『麗子さんは、もうおばあさんでしょうね』 その子の母が答えた。」
月の夜
「 箪笥の鍵を出来るだけそっとあけて、中から白い紙につゝまれたドレスを出した。その時にはもう私の心はかたく決まっており、何の感傷もなかった。白い紙をひろげると、中に、うすみどりの長い裾のドレスが、たゝまれてあった。」
道程
「 たしかそれは『少女』といふ題であったように記憶する。バックも顔も少しのぞいてゐる洋服もすべて赤を基にしたもので、二つの眼が異様な光を帯びてゐた。私はこの絵の前で数分間たちどまったまゝまるで吸ひこまれるようにみいってゐた。」
特急二十八分
「 阪神神戸のプラットフォーム。正午。発車のベル。つゞいて車掌が笛を吹きならす。前後して、カタカタカタ。小きざみな足音。西階段と東階段より殆ど同時にフォームへ。そして瞬間二人の女性は視線をあはせ、最も近い扉にかけこむ。」
晩照(Ⅰ)
 「何用で来たの」と玄関でつきかへされて、私は狭い石段をうつむきながら降りる。広いバス道を時々ジープが疾走し、そのたびに高いポプラの梢の葉がゆれるやうだ。駅には人が大勢ゐた。」
晩照(Ⅱ)
「 片足を失ったばったが、ものうげに跳ねながら、拭きこんである黒い廊下から、辛うじて籐椅子の肘にたどりついた時、そのすっきりした緑の背を、素早くつかんだ、白い指先があった。」
港町風景
「 お彼岸がすぎたといってもまだゆふぐれあたりからぐっと冷えこんでくる波止場近くの道を、私はひとり小さなスーツケースをさげて歩いてゐた。夜の九時に出帆するといふ高松行の船を待つため、東海道を混んだ汽車に揺られて今先刻、神戸へ下車したのである。」

ゆき子の話  
「 ゆき子が、仔犬をもらったからぜひ見に来いと葉書をよこした。私は、仔犬にあまり興味を持たなかったものの、もう一ヵ月も会っていない彼女と、話がしてみたくなって、早速その次の日曜日、ゆき子を訪問した。」

四年のあひだのこと
「 うすねずみいろの毛色のワンピースを着て、私は花束を持ってゐる。今さっき、知合の家へあそびに行き、その庭の一ぱいあふれるやうに咲いてゐたスイートピーをすきなだけきらせてもらひ、その帰りである。花はむっとした少し鼻につきすぎる位の香りで、それはこいむらさきやうすいピンクや白や各々の色より発散したものが、また一つになって新しく別なものをこしらへ私に投げかけるやうだ。」
 以上、久坂葉子の「彩子とお日様」「一夜」「女」「金色の動物」「鏡」「黒い扮装」「骨董の中に」「月の夜」「道程」「特急二十八分」「晩照(Ⅰ)」「晩照(Ⅱ)」「港町風景」「ゆき子の話」「四年のあひだのこと」のまくら部分でした。
熱心な愛読者の方が運営するサイト(ご遺族のインタビューも掲載)があるので、興味のある方はそちらをご覧頂きたい。そういった方々に比べてにわか読者の私であるが、せめて「まくら」部分だけでもご紹介したいと思う。ネット上で絶版になった書籍を読める「青空文庫」にも久坂葉子作品はいくつか掲載されているが、数が少ない。久坂作品を読んでいると、朝吹真理子辺りは読む必要ないな、というくらいだ。
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コロー 名画に隠れた謎を解く!

高橋 明也 / 中央公論新社






























































































































































































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by suziestefan | 2016-04-30 17:01 | ほんのまくらクイズ