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本のまくら・岡本綺堂

「本のまくらクイズ」の回答。
掲載した作品(もう1つのBlogも含む)を作家別にまくら(小説や随筆の冒頭部分)を記述。 アイウエオ順で、今回は岡本綺堂(1872-1939)です。 
影を踏まれた女――「近代異妖編」        
「 Y君は語る。 先刻も十三夜のお話が出たが、わたしも十三夜に縁のある不思議な話を知つてゐる。それは影を踏まれたといふことである。 影を踏むといふ子供遊びは今は流行らない。今どきの子供はそんな詰らない遊びをしないのである。」
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子供役者の死
「 ペテロは三たびキリストを知らずといえり。――これはそんなむずかしい話ではありませんと、ある人は語った。 なんでも慶応の初年だと聞いていました。甲州のなんとかいう町へ、江戸の子供役者の一座が乗り込んだのです。」
修禅寺物語
「(伊豆の修禅寺に頼家の面というあり。作人も知れず。由来もしれず。木彫の仮面にて、年を経たるまま面目分明ならねど、いわゆる古色蒼然たるもの、観来たって一種の詩趣をおぼゆ。当時を追懐してこの稿成る。)」
火に追われて
「 なんだか頭がまだほんとうに落ちつかないので、まとまったことは書けそうもない。
 去年七十七歳で死んだわたしの母は、十歳の年に日本橋で安政の大地震に出逢ったそうで、子供の時からたびたびそのおそろしい昔話を聴かされた。」
箕輪心中
「 お米と十吉とは南向きの縁に仲よく肩をならべて、なんにも言わずに碧い空をうっとりと見あげていた。
 天明五年正月の門松ももう取られて、武家では具足びらき、町家では蔵びらきという十一日もきのうと過ぎた。」
指輪一つ
「『あのときは実に驚きました。もちろん、僕ばかりではない、誰だって驚いたに相違ありませんけれど、僕などはその中でもいっそう強いショックを受けた一人で、一時はまったくぼうとしてしまいました。』と、K君は言った。座中では最も年の若い私立大学生で、大正十二年の震災当時は飛騨の高山にいたというのである。」

 以上、岡本綺堂の「影を踏まれた女」「子供役者の死」「修禅寺物語」「火に追われて」「箕輪心中」「指輪一つ」のまくら部分でした。
 私は歴史もの、時代小説を積極的に読むことは少ない。 ただ、文章が上手い作家については例外である。
大佛次郎と松本清張の対談の中で、お二人とも岡本綺堂のことを褒めておられた。
綺堂は、いわゆる一高から東京帝国大学の文科を出た選り糸ではないが、叔父や父に漢詩や英語を習った。彼らの影響で英国公使館や新富座にも幼少時から出入りしている。帝国大出の文士に負けない知識と知性を培ったということだ。そもそも、そういったエリート達に負けるもんか、といったような気負いも感じさせないし、その必要も無かったのだろう。
綺堂の小説や随筆を読んでいると、短いセンテンスの中に情報がさり気なく網羅されている。それは、上記の「まくら」部分を読んで頂ければ、明白だ。今読んでも古さを感じさせない。
1892年生まれで1927年に自殺した芥川龍之介よりも年上ということだが、「修善寺物語」を読むと芥川の「地獄変」を思い出す。勿論、綺堂の作品の発表年度が先なので、私の読む順番が逆だったということだ。
義務教育の国語教科書に芥川の「トロッコ」などが掲載されることは多い。夏休みの課題図書で「地獄変」を読まされた、という生徒も多かろう。つまり、大抵の日本人が「修善寺物語」よりも先に「地獄変」を読んでいるのだ。
綺堂の「火に追われて」や芥川とほぼ同時代の内田百閒の随筆にも、関東大震災についての記述がある。
以下、「火に追われて」より、抜粋。
「わたしの横町一円が火に焼かれたのは、それから一時間の後であった。K君の家へゆき着いてから、わたしは『宇治拾遺物語』にあった絵仏師の話を思い出した。彼は芸術的満足を以て、わが家の焼けるのを笑いながらながめていたということである。わたしはその烟(けむり)さえも見ようとはしなかった。」
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by suziestefan | 2016-04-30 17:06 | ほんのまくらクイズ